一般会計予算賛成討論

連合かわにし市民の会の福西勝です。
議案第1 号川西市一般会計予算について賛成の立場で討論させていただきます。

 昨年は川西市制施行70周年を記念して、多くの記念事業が行われました。
令和7年度はこれまでの取組みによって蒔いてきた種を「根付かせる」年にされようとしています。令和7年度一般会計予算は700億円を超える予算規模となりました。歳入は市民税で令和6年度予算よりも約11億円増加、軽減税率分を差し引いても約4億円増加であります。ただ、地方消費税交付金が横ばいであることに日本全体の消費の低迷は今後の不安を感じます。歳入の根幹と言える市民税は均等割と所得割の納税者数が増加傾向です。しかし生産年齢人口は今後減少していきます。
今後の生産年齢人口の所得額がどのように推移するのかが市民税収入を大きく左右します。そのようなことをふまえて納税者の現状把握が必要と考えます。例えば世代別若しくは年齢別の納税者数や納税金額。
 また世代別若しくは年齢別の一人当たりの納税金額など、費用を投じてシステムを導入することを検討してください。現状を把握することで今後の見通しも見えてくると考えます。

 歳出は、扶助費で令和6 年度予算よりも約15 億円増加、次年度以降も増加が予想されます。
越田市長は「まず、子どもの幸せから始める」の基本姿勢を変えることなく、子ども・教育分野に重点を置かれた予算となりました。ソフト面・ハード面、両方への投資額が計上されていることをふまえての約700億円以上の予算になったと認識しています。

ハード面では、
(仮称)市立多田こども園の整備、2 億3,100万円
学校のICT機器の充実、8億6,273万円
小中学校体育館空調整備事業、15億1,600万円
公共施設等LED化、4億8,993万円
民間教育保育施設新規2 園の運営、2億5,940万円
小学校2 校へのエレベーター設置など、2億1,882万円
北部地域こども支援拠点整備、約1億2,000万円など。

またソフト面では、
妊婦健康診査費の助成拡充、1,276万円
就学前医療的ケア児のための看護師配置、2,385万円
中学校の放課後学習支援、2,717万円などが進められます。

それ以外にも、
機能廃止されたそのままの施設の解体が進み新たに整備される事業として旧市立川西病院解体、約8億4,800万円
旧南部処理センター解体、約5億円
旧川西高校跡地グラウンド整備、約3億5,000万円
小戸団地解体工事、約1億7,000万円
御社橋拡幅工事、約1億8,000万円など、未来につながる事業が進みます。
また既存施設のリノベーションや北消防署整備に約4億3,000万円と公共施設の再編が進むことが示された予算となりました。

総務費について

 スポーツ振興費のスポーツ施設管理運営事業では旧川西高校の解体が行われ、グラウンド整備が進みます。
会派としては天然芝、若しくは人工芝グラウンドを望んでいましたが、引き続き粘り強く言い続けます。
また各地域の多目的グラウンドを地域以外の市民も使用できるよう更なる柔軟な対応をお願いいたします。
参議院議員選挙の参議院議員選挙事業では公営掲示板箇所数の見直しを提案します。
国や県の選挙においては国県支出金によって行われますが、令和8 年度に予定されています市長・市議会議員選挙は一般財源で行われます。公営掲示板箇所数の削減に向けて検討して下さい。

民生費について

 老人福祉推進費の施設入所援護事業では老人福祉施設の見直しが進みますが、老朽化の進んでいる満寿荘の今後については変化がありませんでした。今後のあり方について検討して下さい。
児童福祉推進費の北部地域こども支援拠点整備事業では会派として要望していたことをふまえた、こども・若者ゾーン~北部ワクワク子ども支援拠点とし整備されました。

 保育所費の市立幼稚園・保育所一体化施設整備事業では多田こども園の設計が行われます。
多田保育所の仮設園舎を整備しての建て替えとなります。
仮設園舎の整備にご理解をいただいた地域の皆さんに感謝いたします。
子どもの安全面を最優先に工事や多田保育所の運営をお願いいたします。
留守家庭児童育成クラブの放課後児童居場所づくり事業では全額国からの補助金を活用して久代小学校と桜が丘小学校をモデル校として新規事業となりました。
待機児童が今後も続くようでありましたら他校への拡充も検討して下さい。

衛生費について

 保健衛生総務費の母子保健推進費では妊婦健康診査の助成額が10万円から1万円の増額がなされました。
15回目16回目を受診される方への支援も検討して下さい。
ごみ処理費の分別収集事業ではごみ収集の乗車人数の議論をしました。
3名体制の方が2名体制よりも効率よく収集できることは理解できます。
しかし6名3台の車で収集する方が6名2台の車で収集するよりも効率が良くなると想像します。検討して下さい。

商工費について

 商工振興費では国の重点支援交付金の使途について議論が交わされました。
この交付金については、その半分を子育て・教育分野に、残る半分を市民への物価高騰対策と中小企業者への支援に活用するとの基本方針が示されました。特に商工振興事業では、これにかかる予算を確保した上で、今後、市民や市内事業者の実情を踏まえて、具体的な内容が検討され、実施に移されるとのことです。予算審査の中では新年度の早い段階でこの詳細が議会にも示されることの説明がありましたので、私はこの方針に賛同する立場で、大きな期待を寄せています。

土木費について

 道路維持費の道路・水路維持補修事業では街路樹の維持管理に踏み込まれました。
公園や道路の包括的民間委託によって効率よく前に進むことを期待します。
公園緑地費の加茂6 児童遊園地整備事業ではスケートボードができる場所として中国自動車道高架下での整備が進みます。
初心者から初級・中級者まで、たくさんのスケーターが利用する場所となることを願います。
また駐車場の整備として、中国自動車道側道の南側、県道高架下での整備に向けて兵庫県へ要望して頂きますようお願いいたします。

消防費について

 災害対策費の災害対策事業では大規模災害時の応急給水確保のため、市内小学校の受水槽に給水栓を整備することや避難所における生活環境改善の備品整備、さらには避難所となる体育館の空調整備など、災害に強いまちづくりを前に進めていただくことに賛同いたします。
一方、市内の応急給水が確保できる場所について、知らない市民もいます。
現地でわかりやすい看板を設置するなど、日頃から市民が把握できるように周知をはかっていただきたいと思います。

教育費について

 学校教育推進費の就学支援事業では学校教育支援事業を含めて中学校部活動の社会移行に関しては様々な議論がされました。
川西市は生徒たちの多様なニーズに合った活動機会を持続的に提供するため、地域を含めた社会全体で活動を支援する取り組みを進めています。
従来の部活動では、一部において子どもたちが専門的な指導を受けることは難しく、一方で教職員は部活動に関する専門的な知識・技能を持たないまま顧問になるという現状でした。
これからますます少子化が進行するとともに、教職員のなり手不足の問題もあり、持続が困難な状況にあります。
こういった状況の中で、部活動の意義を引き継ぎながら持続可能な活動へ転換するための大きな決断であると評価しています、引き続き教育委員会には保護者や子どもたちへ丁寧に説明していただくとともに、環境整備に尽力いただきますようお願いいたします。
また同じく学校教育支援事業では全7中学校に照明設備が整備されます。
中井議員とともに一般質問をしました。ありがとうございます。
夏の暑い日中の活動を避け19時以降の活動が可能となり、冬では17時以降に暗くなってからの活動も可能となることが期待されます。
更に地域クラブの情報を管理するポータルサイトの導入がされます。
同じく学校教育支援事業では中学校の放課後学習支援として令和7年度は1学期の早い段階から実施されることを評価します。

続いて教育ICT 事業では川西養護学校や特別支援学級の教室、中学校の少人数授業の教室への電子黒板については支援の必要な児童・生徒への授業こそ電子黒板が有効であることは現場からの声が上がっていました。ありがとうございます。

全体を通して

 兵庫県市町村職員共済組合負担金及び兵庫県市町村退職手当組合負担金の各組合に加盟している自治体数及び自治体名、また川西市の各組合への負担金額を会派として議案質疑しました。
兵庫県市町村職員共済組合に関しては神戸市以外の兵庫県内全ての市町が加盟されていますので今後も現状の体制が続くと推察します。
しかし兵庫県市町村退職手当組合に関しては人口規模で宝塚市が一番多い自治体です。
その次に川西市であり、伊丹市や西宮市、尼崎市は加盟していません。
団塊の世代が退職し、一定の役割は終わったと受け止める観点から今後も組合に加盟し続けるのかについて検討する時期に来ていると考えます。
諸事情があることは承知していますが、川西市は6億7,446万6千円を拠出している負担金の見直しをする、即ち退会する必要があると考えます。

最後に内部統制について

 マニュアルの整備などの取り組みを進めたことで、時間外勤務の削減が進んでいることはとても評価できます。
今後の更なる展開に期待しています。
また冒頭にも申しました、令和7年度はこれまでの取組みによって蒔いてきた種を「根付かせる」年にされようとしています。
このことが全職員に周知、浸透し30年後を見据えた発言や行動につながることを信じています。
人間は完璧ではありませんし、ミスをします。日頃からの職員同士のコミュニケーションが重要で同じ方向を向いて互いに思いやれる職場環境になることは誰もが望むことです。
地方自治法第1条の2に地方自治体は住民福祉の増進を図ることを基本として、と書かれています。
窓口業務では初対面の市民に、誠意をもっての対応にも関わらず罵声をあびて、とてもつらい時もあるかと思います。
私も同じことを経験していますのでよくわかります。
しかし些細なことで「ありがとう」と言ってもらい感謝の気持ちを受けた時の喜びは何物にも代えがたい時があると思います。
職員皆さんの一人ひとりの力で川西市は前に進んでいることを市議会議員にならせていただいてわかりました。
今後も真面目に真っすぐに一所懸命に取り組む皆さんの存在が川西市に必要ですし、誰でもできる業務でないと認識しています。
自信を持って日々の業務に取り組んでいただきたいです。
 また教育委員会では先日の教育委員会定例会において「川西の教育」グランドデザイン、学びの道標(みちしるべ)QUESTを提出されました。教育委員会の若手職員を中心とした広報戦略プロジェクトチームが学校園所の先生方と協力して編集し作成されました。正に人生は冒険であると考えます。子どもたちはたくさんのことを探求し、挑戦する人間に育ってほしいと考えます。
 QUESTは石田教育長のイラストも入っていて、とても見やすく、分かりやすく、コンパクトにまとめられています。何よりも若手職員がチームとなって作成されたプロセスが素晴らしく、このような取り組みが若い職員の燻っていた気持ちに火が付いたことと推察します。
QUESTが教育委員会内だけのものにならぬよう、石田教育長を先頭に子どもの笑顔があふれる教育現場にしていただきたいです。
 引き続き教育大綱に示された3 本柱を軸に取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。
少子高齢化による社会保障費の増大に加え、人件費の増、物価・金利の上昇により歳出が増加せざるを得ない状況であり、これを支えるため、地方税・地方交付税などの安定的な地方税財源の確保は国の努めとし、川西市としては人口減少、担い手不足を踏まえたデジタル投資の推進や公共施設の集約化・複合化の推進などワイズスペンディングに努め、健全な財政経営を目指していただきますようお願いいたします。

歳入歳出714億7,700 万円の令和7 年度一般会計予算には賛成いたします。
同僚議員のご賛同をいただけますようお願い申し上げます。