令和5年度 第1回川西市議会 一般質問
岡 るみ
今回も「住み慣れた地域でずっと、自分らしく暮らせる地域づくり」の視点から、通告に従い、以下、2項目について、一般質問をさせて頂きました。
世界が苦しむコロナ禍の中で起こったロシアによる侵略戦争、1年経っても収束の兆しが見えない中で、トルコ・シリア地震が起こり、阪神・淡路大震災を超える大きな被害となっています。戦火、災害に見舞われた方々に、お見舞いを申し上げます。
また地球規模での紛争や災厄で、私たちの暮らしにも大きな影響が出てきています。対応の最前線で奮闘を続けて頂いている関係各位に、心から感謝と敬意を表します。
質問1.「本人通知制度」の課題と運用について
- 市民周知の方法(媒体、回数、毎年の取り組み方)を含めた、「事前登録型本人通知制度」の現状について
- 被害告知型との併用の可能性、被害告知型導入にあたっての課題について
- 部落差別に関するモニタリングの現状と課題について
- 各種取り組みを導入したことによる市の人権施策に対する効果について
質問の経緯
2014(平成26)年2月、住民票の写しや戸籍謄抄本などが代理人や第三者に交付された場合、事前に登録した人に証明書を交付したことを通知する「事前登録型本人通知制度」が、当市でも導入され、9年近くが過ぎました。
制度導入が検討されていた当時は丁度、県内で職務上の請求による不正取得が相次いでおり、制度導入により、不正請求、不正取得の防止、早期発見、個人情報の不正利用防止や事実関係の早期究明、不正請求の抑止効果が期待できる等を理由として、制度導入への支援が積極的に行われ、現在では県下、全市町で制度が導入されています。
私も直ぐに事前登録をし、約1年後には、「周知と登録の状況について」一般質問をしました。
その際の答弁は、「制度の目的や概要、登録方法などについて、通常の広報誌、人権問題特集号に計3回、記事を掲載、市のホームページにも案内を掲載した結果として、2015年6月現在、登録者数207名、請求があったことを本人に通知したのが9件、うち2件は請求内容に係る開示請求が行われた」というものでした。
続けて、「登録者数は決して十分であるとは認識しておらず、今後も更に周知を続け、増加を図っていきたい。マイナンバーカード制度の開始が近づき、個人情報の取り扱いに一層の厳格性を求める意識が高まっていることもあり、引き続き、様々な機会を捉え制度の周知を図りたい」との見解も示されています。
また、その後、2019年に同僚議員がこの課題を取り上げられた時には、「2019年8月末時点で、住民票分が449人、戸籍分が252人、制度開始以来の累計通知件数が171件。個人情報保護につながる重要な制度であり、より登録率を高める必要がある。単なる手続き的な案内だけでなく、PRをしていきたい」と答弁がありました。
2021年8月、栃木県の行政書士が戸籍等の不正取得の疑いで、兵庫県警に逮捕される事件が起こりました。大阪市内の探偵業者の依頼で、「遺言書作成のため」とし、姫路市などから住民票の写しなどを請求、加古川市でも同様の不正を行った疑いでの逮捕事件です。
その後、この当事者は全国47都道府県すべてで、3,500件余りを取得し、この事件には50を超える興信所・探偵事務所等が関与していたとも報道されました。
関係者間では、これは身元調査を目的とする可能性が高いと考えられており、真相究明と、個人情報保護と人権擁護の観点から、関係市町村に不正に取得された人(被取得者)に「被害告知」を行うよう要請しています。
しかし、今、殆どの自治体の要綱(本人通知制度は国全体の法制度ではなく、各自治体が整備する要綱に基づく制度)では、法務局か都道府県から不正取得があったとの通知がない限り、市区町村が通知をすることは出来ません。
登録型本人通知制度では、第三者が例えば戸籍を取得した場合、不正の有無に関わらず本人に通知されますが、請求者は通知されません。そのため、自分の個人情報を「誰が、何のために」取得したかが不明ならば、登録に意味を見いだし難い、との意見もあるようです。
県下では、神戸市と太子町が「被害告知型」を導入しています。これは不正取得が発生した場合、登録制ではなく、市町民全員に伝えるものです。確定判決等がなければ通知されないため、事案の発覚が遅くはなりますが、県下では三田市が、登録型と被害告知型を併用しています。
2023(令和5)年4月施行予定の「個人情報の保護に関する法律」改正にあわせ、当市でも先頃、条例改正が行われました。
今後は、市町でも、個人情報の保護及び尊重に留意しつつ、個人情報の保護とデータ流通を両立させ、社会インフラとしての住民データの利活用にも取り組むことになります。国は更に今、マイナンバーカード制度の普及を図るための促進策も精力的に展開しています。
国がこういった取り組みを進める一方で、平日の日中、自宅の、特に固定電話には、あらゆる手法で勧誘電話がかかります。
情報化やデジタル化が進み、便利さを享受する一方で、恩恵に取り残される層、隠れた悪意に晒される事件、思いも付かない、経験則では対処が困難な事柄も増えています。
本当に大事な、個人の情報を守り切ることが困難になっていく中で、「もしも」の事態に備える仕組みが、今、更に求められており、その一つとして、本人通知制度の登録者数を増やし、仕組みを補強すべく併用型導入の研究をと思い、今回、この課題を取り上げました。
また、それに加え、私たちの暮らしに占めるインターネットの影響力が、年々、加速度的に増える中で、川西市でも取り組みを続けている、「インターネットモニタリング」に関しても、現状と課題を、総括的に考察すべき時期かと考えます。
例えば、全庁的にネット上の差別の現状認識が共有される実施体制、モニタリング従事者の特に、精神的な負担軽減策、モニタリング範囲の設定、対象サイトの選定、削除方法等のスキルアップ、そして何より、人権教育・啓発の充実を図ること、等について、総合的に考察を行い、推進体制を強化することが必要ではないでしょうか。
呼称も含めた組織改編が確定すれば、この春からは、人権施策担当部局の組織体系も変わることになります。
変えるならば、それが、人権擁護宣言都市、川西において、一層の施策推進の契機とならねばと思います。
当市の先達が紡いでこられた取り組みを次に繋げるためにも、以上を踏まえて、市としての基本的な考え方とそれに対応しての具体の対策、今後の展望について、ご所見を伺いました。
質問2.「孤独死」(身寄りのない方の死)に向き合う取り組みについて
- 「孤独死」、「孤立死」の捉え方、定義ついて
- 市内、市民の「孤独死」の現状について
- 「孤独死」発見の際の対応等(相談窓口、マニュアル等の策定等)について
- 関係者間の情報共有、関係機関との連携体制、対応研修等、今後の体制整備等について
質問の経緯
2018年6月の一般質問で、「2025年、団塊の世代が後期高齢者となり、医療と介護の両方を必要とする人が急増する。同年はまた、現在、年間、約130万人の死者数が、160万を超えると予測される。言葉の響きは良くないが、多くの人が亡くなる多死社会、到来の年とも言われる。所謂2025年問題は今から7年後、すぐそこの課題となった」と述べました。それから5年、今、2025年問題は、所謂、指呼の間、の課題となりました。
この1月、市内で独り暮らしをされていた高齢の女性が、亡くなって発見されたとの事例を聞きました。死後、1週間程度が経過していたようで、年末年始を挟んで、訪問介護員さんが、訪問時に見つけられたそうです。
2018年6月の、一般質問の際にも、「最近、地元の住宅団地で、独り暮らしの高齢者が亡くなって発見される事例が短期間に続けて発生している。孤独死、孤立死等の場合、発見が遅れるほど、その後の対応に困難が予測される。これらの事務や事後処理を担う人が不在で、いずれ行政がそれを担うことになれば、財源、人的にも今後、過大な負担が予想される。死後、死亡時の事務委任契約や任意後見制度利用の周知、啓発等が必要では」と問いました。
答弁としては、「先ずは警察への通報が第一、その後は警察が必要な手立てを講じる。個々の事例が異なるため、対応マニュアル等の作成等は地域と調整をしつつともに検討したい」とのことでした。
その後、事情は加速的に動き、ネットなどで情報収集するだけでも、国の機関、地方自治体、民間事業者等、様々、孤独死、異状死等についての記事が増え、各種、マニュアル等もいくつか公開されるようになってきています。その後の、当市の取り組みが気に掛かります
先に述べた市内のようなケースでは、担当者は警察等と連携を取りつつ、親族調査に取り組むことになります。
前回の答弁にあったように、「警察において、身元確認や親族、必要に応じ行政と連絡をとるなどの手立てが踏まれる」ことになりますが、通常(厚労省、法務省による「身寄りのない方が亡くなられた場合の慰留金等の取り扱いの手引き」(令和3年3月)にもありますが)、身元が判明している方でも遺体等の引き取り者がないときは、死亡地の市町に遺体は引き渡され、警察によりその後の手続きがなされる訳ではありません。
また、現時点では、市町が、行旅死亡人(氏名・本籍・住所が分からず、遺体の引き取り手も無い死者)等以外で、身元が分かるが、身寄りがない方の死後事務を取り扱う規定は特にないと聞きます。
また例えば、成年後見制度の被後見人であっても、死亡と同時に契約は解消され、死亡時、死後事務委任契約等を結んでいなければ、その手続きを担うべき人は、特にいないことになります。
今は、これも例えば、被後見人であれば、また、任意後見契約等を結んでいれば、成年後見の受任団体等が死亡時の手続き等を、ボランティアで担うケースもありますが、それとて、受任数が今以上に増えれば、対応が困難になることが想定されます。
警察の手続きが終了した後、見守りをしていた人、看取りに関わった方、最終的には行政の担当者等が、行き場を失った亡骸と遺品を前に、右往左往する光景が日常になっては、誰にとっても心安らかな最期とはいえません。
「早期の発見と対応、未然防止のために」、これはある自治体の「孤立死防止」と銘打った資料の副題です。勿論、自治体として、地域としても、このことが最優先なのは言を俟ちません。
ただ、予期せぬ形で、地域で、様々な方の最期に、心構えが整う前に向き合う場面が増えるかもしれない今後に、備える努力が、今、本当に必要になっていると考えます。
以上を踏まえて、市としての基本的な考え方とそれに対応しての具体の対策、今後の展望について、ご所見を伺いました。
川北 将
今回、アフターコロナ・ポストコロナを見据えて、子育て世帯にとって、より子育てしやすい本市に向けて、 2つの質問をいたしました。世の中が変化し続ける中で、「変えるもの」「変えないもの」を理解して、持続可能なまちづくりをしていかなければなりません。
今後においても、思いを本音で交わし、真摯な議論を行ってまいります。
質問1.川西市総合計画審議会のライブ配信について
- 第6次川西市総合計画に対する川西市総合計画審議会の位置付けについて
- 川西市総合計画審議会のライブ配信に至った経緯と目的について
- 川西市総合計画審議会のライブ配信後の傍聴者数の変化について
- 川西市総合計画審議会は今後もライブ配信が実施されるのか
- 傍聴を可とする審議会・会議の今後の傍聴について
質問の内容
本市の令和5年度は「第6次川西市総合計画」をはじめとした各計画の策定が実施されます。その中でも「川西市総合計画審議会」については、令和3年12月の会議からZOOMアプリを通じてライブ配信されており、仕事や子育てなどの時間的制約で来庁できなくても、会議を傍聴できるようになりました。
ライブ配信によって傍聴者数は僅かながら増加しています。コロナ禍で得た新しい働き方を目的に応じて継続・発展させていくことが重要だという認識のもと、「議論を傍聴する」という観点においては、総合計画審議会以外にも景観に関する審議会や地域交通の会議などがあり、ライブ配信で傍聴できることで本市の取り組みを一人でも多くの市民に知っていただき、それが協働への第一歩につながるのではないかと提案しました。
「川西市総合計画審議会」は今後もライブ配信が実施され、他の会議も環境が整い次第、ライブ配信を考えていくとのことです。
質問2.プレイルーム(地域子育て支援拠点)について
- コロナ禍における市内のプレイルームの対応について
- 入室制限による待機人数や時間について
- コロナ前の利用者数と今後の見込みについて
- 市内のプレイルームの拡充と計画について
質問の内容
本市では、子どもの遊びを見守りながら、親同士で子育ての様子を話したり、親子の交流を深める場所として、就学前の子育て世帯なら「誰でも気軽に」参加できるようにプレイルームが13箇所設置されています。このプレイルームの相談件数割合をみると、平成30年度の8.6%から令和3年度が18.6%と年々上がっており、プレイルームを利用するお子さんの年齢は2歳ごろまでが多いことから、乳幼児期の子育ての悩みを話せる場所として「本市で安心して子育てができる環境づくり」の一翼を担っています。
今後、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に変更され、プレイルームの入室制限などは緩和されていき、今よりは利用者数が増えていくことが想定されます。このコロナ禍で、「部屋に人が多いと利用するのをやめておく」という方がいます。こういう方に寄り添えないか、プレイルームの混雑状況を「かわにし子育てNavi」アプリと連携して見える化できないか提案しました。
答弁では構造上、リアルタイムで混雑状況を示すことができないとのことでしたが、施設の混雑状況の傾向などを発信できないか検討するとのことです。
また、令和5年度にはプレイルーム2箇所の拠点増設にかかる条件を精査し、令和6年度の開設に向けて取り組みを進めていくとの答弁があり、市内のバランスを見ながら開設されることを要望しました。
中井 なりさと
「子どもが幸せになる川西をつくる」政策はこども・教育からはじめる越田市長の方針に賛成です。
私は、常々もうしてきました。学校へ行くことがめちゃめちゃ楽しい学校、給食がめちゃめちゃおいしい学校、部活動がめちゃめちゃ楽しい中学校、そんな学校づくりをしてまいりましょうと。
そして、子どもの声も聴いたってと申してまいりました。教育大綱をつくるうえで実現されるとのこと、子どもたち、そして保護者の喜びになればといいな思っております。
質問1.子どものこころの健康状況を調査することについて
- 児童・生徒向けにこころの健康状況を調査することについて
- 先行実施校の実施の様子やその効果について
- 全校で子どものこころの健康状況の調査や、子どものストレスチェックを実施することについて
質問の経緯
児童期・思春期の子どもたちは、身体の変化・環境・友人関係・大人との関係など、様々な影響を受けながら成長している時期であり子どもひとりひとりの健やかな成長のためには、身体の健康だけでなくこころが健康であることも非常に重要であるといわれています。
今日の課題である不登校の問題においても、支援ニーズのある子どもを早期発見が可能になるのではと思うところであります。
質問2.LGBTQについて
- 本市におけるLGBTQ理解への取り組みについて
- 授業でLGBTQ教育がされているのかについて
- 学校におけるLGBTQに対応した設備等について
- 校則や行事等における配慮について
- 現状の課題と今後の取り組みについて
質問の経緯
LGBT理解増進。国を挙げてすすめられようとしています。
LGBTに加えて、Questioning(クエスチョニング)とQueer(クィア)の頭文字Qを足した「LGBTQ」という単語です。Questioningは、自分の性自認や性的指向が定まっていない人や、あえて定めていない人を指します。Queerはもともと「風変わりな…」といった意味を持っていた言葉です。
以前は、同性愛者への侮辱語として使用されていた過去がありましたが、1990年代以降はセクシュアルマイノリティを包括する肯定的な言葉として使用されています。
以前に比べると自分が性的少数者であることを堂々と主張する人も増えてきました。しかし、いじめや偏見、差別を恐れるが故にカミングアウトができない人や、誰にも相談できずに悩んでいる当事者が多いのもまた事実です。
セクシュアルマイノリティの人たちが自分のセクシュアリティ(性のあり方)を自覚するのは、小学生から高校生までの学齢期が多いとされています。
また、特に自殺念慮を抱くのは思春期である小学校高学年~高校の頃とされています。
セクシュアルマイノリティは約5~8%とされていますが、性の多様性について考えていくことは、その約5~8%の子どものためだけではありません。心と体に著しく変化が訪れる思春期という自己形成の時期だからこそ、セクシュアルマイノリティの子どもも、セクシュアルマジョリティの子どもも、あらためて自分自身について見つめ直し、生涯を通じて自らの心身の健康について考えられる一人ひとりであれたらと願います。
本市においても令和2年8月1日「パートナーシップ宣誓制度」を導入しました。
いじめや偏見に悩まず、一人ひとりが自分らしく生きることのできる社会を目指し市民へ理解のための周知活動はもとより学校教育でLGBTQについての正しい知識を教えることが重要と考えます。
今回の一般質問では、本市の学校におけるLGBTQ教育の現状と、今後の課題について本市での取り組み状況、市民の理解。学校教育としていかに子どもたちに教えられているのか伺いたく思います。