令和6年9月定例会一般質問

令和6年度 第3回川西市議会 一般質問

令和6年第3回川西市議会(9月定例会)が8月28日(水)~ 9月25日(水)まで開催されました。
救急車2台の購入や公有地の売却、令和6年度一般会計補正予算等の議案を審査しました。
また9月30日(月)~10月3日(木)までは令和5年度の一般会計や国民健康保険事業等の決算審査も行われました。

ふくにし 勝

 今回は「今後の小学校の給食室のあり方について」「市内小・中学校屋外運動場への照明設備の整備について」「川西市路上喫煙・ポイ捨ての防止に関する要綱について」についての一般質問を行いました。

質問1.今後の小学校の給食室のあり方について

質問の内容について

 けやき坂小学校と北陵小学校を除く14小学校の給食室は供用開始後40年以上が経過し、老朽化が進んでいると認識しています。毎年、どこかの小学校で調理設備機器の更新が行われています。今後も様々な職業で人材不足が懸念されています。小学校給食の調理員は約100人です。
20年、30年後も調理員の確保ができることを確認しましたが、もし人材確保が難しいのであれば、小学校給食も中学校給    

 食のように給食センターとして整備する提案をしました。中学校給食センターは、約4,000食を約40人で運営されています。小学校給食は、全16小学校で約8,000食を約100人で運営されています。
仮に小学校給食センタ―を2つ整備すれば約80人となり約20人少なく運営できます。

質問2.市内小・中学校屋外運動場への照明設備の整備について

質問の内容について

 今年の夏も連日暑い日が続いていました。来年の夏以降も暑さ対策は続くと想定します。
子どもたちにとって中学校部活動等の日中の活動はとても危険であると考えます。今後は、活動時間の幅を広げるためにも、早朝や夜間に活動することが進んでいくと考えられます。
しかし、川西市には照明設備のある施設がありません。照明設備が整備されていれば夏の19時以降や日照時間の短い冬の17時以降も活動ができ部活動や地域活動の更なる活性化になると考えます。

 令和7年度は市内小・中学校体育館に空調設備の整備が進みます。
体育館の空調整備の次は中学校運動場の照明設備の整備を訴えました。既に学校に整備している自治体も見受けられます。LED照明は広範囲を照らさないので、中学校周辺住民への配慮をふまえて、運動場全面を照らすまでもなく一部を照らすことも考えられます。しかも費用も少額で整備できます。
また市内には市民運動場や多目的グラウンドといった屋外施設もあります。
小学校の運動場も含めて中学校の運動場だけでなく、可能な場所に照明設備の整備を要望しました。

質問3.川西市路上喫煙・ポイ捨ての防止に関する要綱について

質問の内容について

 越田市長就任以降、阪急川西能勢口駅周辺を中心とした活性化に力を入れてこられ、街が元気になったと実感します。特にコロナ以降、賑わいが増したように見受けます。
 例えば阪急川西能勢口駅前2階デッキの柔軟な活用、阪急川西能勢口駅高架下のマチノマへの改修、そして8月1日にはアステ川西のぴぃぷぅ広場がリニューアルされました。
 今後も川西市の発展は阪急川西能勢口周辺の活性化無しに前へ進まないと考えています。そこで、川西市の玄関口でもある阪急川西能勢口周辺の美化の維持・推進を提案しました。
 平成20年10月1日、川西市路上喫煙・ポイ捨ての防止に関する要綱が制定されています。防止モデル区域は、阪急・能勢電鉄川西能勢口駅北広場からJR川西池田駅までの間の2階部分となっています。
防止モデル区域の見直しを含めて路上喫煙・ポイ捨ての防止の啓発を要望しました。

川北 将 

 本年3月定例会に続き、安全安心なまちづくりの観点で災害への備えについて、公助と自助の取り組みについて一般質問を行いました。
 地震はいつ起こるのかわからないからこそ、日頃からの備えが日常生活への安心につながります。そして災害を経験して、防災や備えについての常識もアップデートされていきます。あかりについては懐中電灯よりも広く照らせるランタンの方が良いですし、熊本地震では避難所のトイレが早々に整備されても連日行列でした。自宅の水洗トイレが使えず、避難所に来る人が多い証拠です。各自で携帯トイレを備えておけば、本当に避難所のトイレが必要な方が安心してトイレに行けることにつながります。
 避難所だけではなく、できる人は在宅避難ができるように自助を進めていくこと、それは安心できる避難地の拡充につながるのではないでしょうか。
防災も含むあらゆる機会を捉えて自助が進むような仕掛けができないか質問しました。

質問1.災害への備えについて

  1. 大規模災害に備える公助の取り組みについて
  2. 大規模災害に備える自助の取り組みについて
質問について

 2013年3月、国の中央防災会議において、防災対策に係る省庁横断的な課題を議論し、実行に結びつけるための専門調査会として「防災対策実行会議」が設置されました。
 この防災対策実行会議の中のワーキンググループや調査部会において、「現在の科学的知見からは確度の高い地震の予測は難しい」ことが報告されました。一方で、これまでの科学的知見を活かし「南海トラフ沿いの地震の発生が普段よりも高まっている」という評価を行うことと速やかな防災対応をとっていただくために、その評価に関する国民への情報提供が必要である、と整理されました。その後、2017年11月に「南海トラフ地震に関連する情報」の運用が始まり、2019年5月に「南海トラフ地震臨時情報」と名称が変更されました。

 8月8日、宮崎県日向灘を震源とするM7.1の地震が発生し、気象庁から南海トラフ地震臨時情報(調査中)が発表され、同日19時過ぎには南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が運用を開始してから初めて発表されました。
 地震の発生から1週間が経過し、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)発表に伴う特別な注意の呼びかけはすでに終わっていますが、いつ大規模地震が発生してもおかしくないことに留意し「日頃からの地震への備え」を引き続き実施することが求められています。

 本市においては、六甲・淡路島断層帯での地震の想定避難者数46,493人の内、家屋の全壊や焼失により食糧などの備蓄品を持ち出すことができない避難者を30,000人として想定され、計画的に備蓄が進められています。「自助」「共助」「公助」それぞれが災害に備え、いざという時に助かるためにはどうすればよいのか、大規模災害に備えるために「自分の命は自分で守る」「家族の命は家族で守る」という考えのもと、公助については応急給水拠点と備蓄のあり方、自助は日頃から備えている市民の割合について市の取り組みを伺いました。

岡 るみ

 今回も「住み慣れた地域でずっと、自分らしく暮らせる地域づくり」の視点から、通告に従い、「地域共生社会のための権利擁護体制づくりについて」「『訪問型支え合い活動支援事業』への取り組みについて」の2項目について、一般質問をさせて頂きました。

質問1.地域共生社会のための権利擁護体制づくりについて

  1. 「成年後見制度」に対する、これまでの取り組みと考え方について
  2. 市民後見人の養成と活用に対する、 これまでの取り組みと自己評価について
  3. 市民後見人が活躍できるための、体制整備等、これからの取り組みについて
  4. 地域共生社会実現をめざす、権利擁護体制づくりとその方針について
質問の経緯

 成年後見制度は、2000年に介護保険制度と同時に始まった、高齢や障害等で自分の判断に十分な自信が持てない人が尊厳を持って暮らすための支援の仕組みです。
ただ、潜在的ニーズが利用に結びついていないのが現状で、その要因の一つが親族以外の専門職などの第三者後見人の不足であると言われています。
そこで、高齢化の進展に伴い今後さらに増加すると思われる需要に応えるため、後見人を市民がボランティアで担う市民後見人の養成が進められ、当市でも既に3名の方が学んでおられます。必要が見込まれる層への早い段階からの周知と理解の徹底が望まれます。

 これは、2011(平成23)年3月定例会で行った、「地域の見守りと後見制度等の拡充について」という、一般質問の冒頭部分です。(概要まとめ)
それからも、何度か、制度の拡充をと訴えてきて、当時を思うと、周知と理解はある程度、進んだのかとは感じています。

ただ制度の導入から二十数年が経ち、一定、利用が進んだことにより、課題や問題点も指摘されるようになりました(地域貢献推進プロジェクトHPより)

◎利用者数の伸び悩み(一方で、利用が需要を充分には充たしているとは言い難い)
 例えば、認知症の人が、2025年には約471万人と推計されるのに対し、2023年末の制度利用者は約25万人に過ぎない。
判断能力が不十分とみられる人の総数、推計1千万人のわずか2%の利用に過ぎないとの説もある。(認知症高齢者数、約600万人、精神障がい者、約580万人、知的障がい者、約110万人、計約1300万人超と推計。他に軽度認知障がい(認知症予備軍)の高齢者、約400万人(地域貢献推進プロジェクトHP)
◎近年、専門職の割合が急増、親族選任が急減している
◎制度の利用件数全体に占める後見類型の割合が高い
 本人の意思がより尊重されやすい補助や任意後見の利用率の低さが課題。2022年9月には国連から、後見人の権限が強すぎることが後見類型の問題点として指摘され、現在の法規制の見直しが勧告されている。
◎市民後見人の普及と活用が充分ではない(選任数の少なさや、関連機関の取り組みのあり方)
◎市区町村長申立ての大幅な増加と対応の必要性(身寄りの無い高齢者等の増加、各自治体における財源や人員等の制約)
◎成年後見に対する各自治体の取り組みの温度差(後見の申立数や市区町村長申立て件数の格差)
◎根絶できない後見人による不祥事(発生への対応と抑制の難しさ)
◎後見制度支援信託及び後見制度支援預貯金の利用の増加(本人の財産を本人のために使うことが難しくなっている)
これらの課題や問題点を踏まえて今年の4月から、「成年後見制度」を改革する議論が、法制審議会の専門部会で始まっています。利用者を尊重し、必要な人に、必要な支援が、必要な時に、柔軟に届き、真に使いやすい制度となるよう、議論を見守りたいと思います。

 ただ、地域の切迫感は待ったなしで、今後、認知症高齢者等が益々、増加し、後見人の需要も一層、高まると予測される中で、主として親族や専門職等で、全ての希望に応えることは難しいと考えられており、その状況を鑑みて、新たな担い手として期待され、当市としても養成に取り組んできたのが、市民後見人です。

 制度創設当時(2000年)は、後見人選任数の約9割が親族だったのが、2022年には2割を切るまでに減少。これは単身者や身寄りのない高齢者等の増加で、後見人となるべき親族が見当たらない例が増えていること、親族による不正が多いことで、家庭裁判所が第三者を選任する傾向にあることが、その背景と言われ、近年、専門職(弁護士、司法書士、社会福祉士等)の選任が増えており、2022年には7割を超える迄になっています。

 このような中で、2016年には「成年後見制度利用促進法」が成立、国は制度の利用促進を図ったため、近年、申立件数は増加傾向にあります。ただ、2022年における審判全体に占める割合は、本人を保護する機能が強いが、意思を反映させることが難しい側面を持つ「後見類型」が70%の一方、補佐が21%、補助は7%にとどまり、任意後見は2%に過ぎないそうです。
国連の懸念のように、本人の意思尊重の観点から最も望ましいとされる、任意後見の利用が殆ど増えていない現状が見て取れます。

 今後は、地域共生社会の実現に向けた権利擁護支援の推進を謳う、第2期成年後見制度利用促進基本計画(2022/3閣議決定、2022〜2026)に基づき、意思決定支援の更なる浸透、そのための適正な後見人等の専任、交代の推進も図られようとしています。

 市民後見人は、地域の社会資源について、よく把握している、本人と同じ地域で生活している市民です。本人と同じ生活者として、市民目線で職務を行うことから、きめ細やかな身上保護を行えます。
また、業として継続的に行う活動ではないので、生活保護受給者等、後見報酬をほとんど期待できない案件についても対応可能となります。勿論、個人のやる気と情熱にのみ頼る取り組みでは、持続可能な仕組みづくりは難しいので、制度設計と運用に関する議論は、別途、必要ですが。

 但し、市民後見には専門的な知識(特に法律的な知識)が充分でないことが多い、また、個人で担うには責務が大きいと受任を躊躇うため、個人単独で後見事務を行うのではなく、後見実施機関(成年後見センターなど)、社会福祉協議会、専門職等と連携してサポートを受けたり、監督人になって貰ったり、あるいは市民後見法人等のメンバーとして活動する等、活動を支える仕組みづくりも大切となります。
地元の地域で、「高齢者、障がい者(知的、精神)に対して、成年後見制度の推進と援助に関する事業並びに高齢者、障がい者(知的、精神)の権利と財産保護に関する生活支援事業を行い、地域と社会の福祉の増進を図る」(成年後見センター・川西約款)ため、成年後見活動に取り組む特定非営利活動法人が設立されて、10年あまりが経ちました。

任意後見、死後事務委任事業等にも精力的に取り組んできて、高齢化が進む地域で、年々、潜在的な需要が増えている体感はあっても、構成員の高齢化、人材不足等で、新規ケースの受託が困難となる等、活動展開の見直し時期がきているのではと聞きます。

その中で昨年、私自身、当市の「市民後見人養成研修」を受講、終了しました。10名近くの同期生がおられましたが、それぞれ、地域活動、専門職としての職務等もあり、終了後、市民後見人としての登録、選任を待つ間の、日常生活自立支援事業への参加等を希望される方は、ほぼ無かったと聞きました。

団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題が取り沙汰されて来ましたが、いよいよ、来年がその年になります。これまでも、地域では、それぞれに、特性に合わせて、支え合って暮らす仕組みづくりの構築に取り組んで来ました。ただ、それでも、今後益々、加速的に進む超高齢社会への対応には、まだまだ課題が多いと感じています。

質問2.「訪問型支え合い活動支援事業」への取り組みについて

  1. 地域住民による訪問型支え合い活動の現状と課題について
  2. 訪問型支え合い活動支援事業における移動の支援に関する、仕組みづくりの考え方と留意
質問の経緯

 誰もが自分らしく最期まで、住み慣れた地域で暮らし続けることを目指し、地域住民が主体となって行う「訪問型支え合い活動」を支援するための取り組みが始まっています。
 これは、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が策定を求めている、「認知症施策推進計画」、当市に於いては、「認知症対策アクションプラン」に基づく事業(高齢者の介護予防・自立支援を目的とする介護予防・日常生活支援総合事業のサービスのひとつ)で、日常生活の困りごとに対する、多様な生活援助を広く対象とし、掃除、買い物、ゴミ出し、庭の手入れ、電球交換、軽修理、傾聴、家具移動の他、徒歩や公共交通機関でのお出かけ支援、車両を使用した移動等を対象に、活動支援を行うものです。
 勿論、これまでも、暮らしの困りごとを支え合う活動は、市内各地域で様々、活発に行われてきていますし、地域の先輩諸氏が、その仕組みづくりに熱心に取り組んで来られています。
 ただ、高齢化の進展に伴い、今後は特に、85歳以上の高齢者数が著しく増加し、2040年までに2020年時点の1,4倍程度まで増加すると推計されており、介護保険サービスを頼むほどでもない日常生活での困りごとの支援と支え合いが、地域では益々、必要とされることになります。

 今、この事業に対し、各地域で取り組みが進んでいて、先月から補助金申請の申込み開始、秋からは交付開始の予定と聞きます。市民、地域、行政他、関係者等の連携で将来を見据え、支援が必要になっても、自分らしい暮らしが続けられる地域づくりに資するものとできるよう、ともに取り組んでいければと思います。

 近隣他市等が編集した「訪問型支え合い活動圃場事業の手引き」等を見ると、自治体によって対象メニューや、制度設計には、幾らかの違いがあり、当市で特徴的なのが、車両を活用した移動支援かと思います。
これについては、これまでも地域で活動をしてこられた団体が、申請準備にあたり、あらためて活動形態を検討、見直し等、されていると聞きます。

 ただ、この分野は、地域公共交通等や、まちづくりのあり方等とも密接に関連し、連携して考慮すべきことも多岐に亘り、法制度への対応も複雑で、純粋に地域の日常の困りごとに、少しでも役立つよう、知恵を絞っておられる市民の皆さんが、持続可能な制度設計を求めて、暗中模索とも言える検討を進めておられるのではないでしょうか。

 ついては、この補助事業に伴い、地域で移動の支援に取り組む場合に、持続可能な仕組みづくりをつくるためにはどうすればよいか、制度設計の考え方と留意点、支援のあり方等について、市民に分かりやすい説明が今一度、あればと思い、今回、この課題を取り上げました。