令和8年 第1回川西市議会 一般質問

川北 将
近年、線状降水帯や大型台風による豪雨災害が各地で頻発し、倒木による道路閉塞や停電が市民生活に深刻な影響を及ぼしています。令和元年の房総半島台風では、倒木が電柱や送電線を損傷し、最大約93万戸が停電、全面復旧まで約2週間を要しました。こうした災害を踏まえ、川西市においても「事後対応型」ではなく、平時から備える「予防型防災」への転換が不可欠であるとの問題意識のもと、倒木リスクを未然に防ぐ「事前伐採」の必要性について一般質問を行いました。
質問.豪雨・台風災害に備えた事前伐採の推進について

- 本市における倒木による道路閉塞や停電リスクの現状認識と危険木の把握状況について
- 過去の豪雨・台風時における倒木被害やライフラインへの影響について
- 電力会社や兵庫県との事前伐採に関する協議・連携状況について
- 通学路や避難路を優先した重点的な事前伐採計画を策定する考えについて
質問と答弁
まず、過去の被害実態について市に確認したところ、市内でも倒木による影響は現実に発生しており、市管理地の法面における倒木で道路が通行止めとなった事例や、令和5年度にはグリーンハイツ付近で杉の木が倒れ、高圧電線に接触して停電が発生しています。
私が一般送配電事業者にヒアリングした情報では、市内において、過去10年間で倒木による配電線事故が6件発生し、2022年9月の若宮では停電時間が394分に及ぶなど、市民生活に直接的な影響を及ぼしています。これは決して他人事ではなく、今後の気象状況を踏まえれば、同様、あるいはそれ以上の被害が発生する可能性は十分にあると考えます。
また、国においては、こうしたリスクに対応するため、送配電線周辺の樹木をあらかじめ伐採する「事前伐採」を推進しています。倒木は「起きてから対処するもの」ではなく、「事前に防ぐべきリスク」として、国全体で対策が進みつつある分野です。私は、この流れを的確に捉え、川西市としても主体的に取り組むべきではないかと質問しました。
これに対し市は、私有地の樹木については所有者責任が原則であり、大規模な事前伐採計画を直ちに策定する考えはないとしつつも、市管理の公園・緑地については一歩踏み込んだ答弁を行いました。
具体的には、令和8年度から樹木医による実地調査を開始し、調査シートを整備したうえで現地確認を行い、倒木リスクの高い樹木を抽出。通学路や避難路といった優先度の高いエリアから、計画的に事前伐採を進めていく方針が示されました。これは、予防型防災への転換に向けた重要な第一歩であると評価しています。
さらに、リスクの見える化についても、市はGIS(地理情報システム)の活用によるリスクマップ化を有効と認識し、既存データの整理を進めていく考えを示しました。また、電力会社とはすでに災害時の復旧連携に関する覚書を締結しており、今後は復旧段階にとどまらず、予防段階からの情報共有や協議の場についても検討するとの答弁がありました。これにより、行政単独ではなく、関係機関と連携した実効性の高い対策が進む可能性が見えてきました。
私の意見
私は今回の質問を通じて、①倒木リスクの見える化、②電力会社等との平時からの連携強化、③通学路・避難路を軸とした優先順位付け、④年次目標を持った計画的な事前伐採の実施、の4点を柱として具体的に提案しました。災害は防ぐことが難しい側面もありますが、「被害を小さくする努力」は確実に積み重ねることができます。特に倒木対策は、事前の一手で大きく結果が変わる分野です。
市民の命と暮らしを守るためには、見えているリスクから目を背けず、一つひとつ着実に対策を講じていくことが重要です。私は今後も現場の声に耳を傾けながら、国の動向も踏まえた実効性ある防災対策を粘り強く提案し、「もっと」災害に強い川西市の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

岡 るみ
今回も「住み慣れた地域でずっと、自分らしく暮らせる地域づくり」の視点から、通告に従い、「本人通知制度の現状と課題」「重層的支援体制整備の進捗状況」の2項目について、一般質問をさせて頂きました。
質問1.「本人通知制度」の現状と課題について

- 登録数の現状、導入以来の推移、周知の状況(媒体、回数、対象範囲等)について
- それらを踏まえ、制度導入による効果の検証と市としての見解について
- 市民とともに制度の周知を図る工夫について
質問の経緯
本人通知制度とは、住民票の写しや戸籍などの証明書を第三者や本人の代理人に交付した場合、事前に登録をした方に、証明書を交付した事実を通知する制度です。
この制度を利用することで、不正請求の早期発見や、不正取得による個人の権利侵害を
抑止することを目的としています。
川西市のホームページでは、「本人通知制度」について、このように記載されています。
そして、同じく、「本人通知制度に登録しましょう」というページには、
「本市の本人通知制度の登録者数は、2022(令和4)年10月1日現在で、607人です。この制度の登録者数が増えていくことが、不正な請求(取得)者をなくしていく大きな抑止力になると考えます。一人ひとりの人権が守られる、差別のないふるさとかわにしを実現するためにも、あなたもぜひこの制度にご登録ください。」と、記載されてもいます。
この制度については、導入前からも先輩議員が、そして導入後には、私も何度か、一般質問や委員会での発言などで取り上げてきました。
2023(令和5)年3月定例会で取り上げた際には、
「市では、2014(平成26)年2月から本人通知制度を実施しており、市民課と各行政センター、アステ市民プラザに制度の案内文書を配備して、登録希望者の申し込みを随時受け付けています。
制度周知については、年2回発行の広報じんけんや市ホームページ、市民課窓口等で証明書交付の際の窓口封筒に制度案内の記事を掲載すること等で行っています。
この取り組みの結果、本年1月末現在は住民票に関する登録者数は578人、戸籍に関する登録者数は319人で、少しずつですが増加傾向にあり、請求があったことを本人に通知したのは、累計で359件となっています。不正取得に対して一定抑止効果があると認識しており、今後も登録者数の増加を図りたいと考えています。」と、答弁がありました。
制度の導入から10年あまり、先に述べた答弁やホームページの内容からみると、少しずつですが、登録数が増えているのだとあらためて感じました。
ただ、当市の住民登録数からみて、また昨今の社会情勢等から鑑みて、更に1991(平成3)年には人権擁護都市を宣言し、人権課題にとりわけ熱意ある取り組みが続く当市に於いて、必要にして充分な登録数かといえば、まだ、疑問も懸念も抱きます。
今回また、このことを取り上げようと考えたのは、この制度が巷間騒がれ、被害報道も続いている中で、未だ増え続ける特殊詐欺被害防止対策の一助になるのでは、とも考えたからです。
少し前に、兵庫県では特殊詐欺が過去最高のペースで増加し、被害総額が2025年7月末時点で約38億円と過去最高を更新、前年の年間被害額を上回る非常事態と報道されました。
「特に高齢者を狙ったオレオレ(警察官、息子を騙る)詐欺」や還付金詐欺、キャッシュカード詐欺、インターネットバンキング悪用等が深刻で、兵庫県警では被害者の約8割を占める、高齢者の安心な暮らしを守るため、2025年10月から、「特殊詐欺多発警報」を発令しています。
特殊詐欺についても、令和6年3月定例会において、その対策について質問したところ
「特殊詐欺には、常に新たな手口があらわれており、強力な被害防止対策を講じることが困難、一つの手段というより、さまざまな機会に知っていただくこと、警察や防犯協会、コンビニエンスストア、銀行などと連携し、地道に対応することが非常に重要と考えています。今後も関係機関と連携し、被害の未然防止に努めます。」との、答弁がありました。
「本人通知制度」導入に際しては、県などにより
①不正取得の防止、不正請求の早期発見
「住民票の写し」や「戸籍謄本」を不正な手段(偽造委任状)などで取得した場合、役所から「本人」に通知が届き、「身に覚えがない取得」に気づいて、警察への通報、口座の凍結等が可能
②心理的抑止
不正が発覚する可能性が高まることにより不正請求の抑止効果が期待できる
③個人情報の不正利用防止、事実関係の早期究明
等を理由として、市町への積極的な制度導入が支援されました。
それもあってか、既に県下全ての市町でこの制度は導入されていますが、どの自治体でも、
①制度自体を知らないことによる「登録率の低さ」
②窓口に出向く必要がある「手続きの手間」
③数年ごとに更新が必要な自治体では、失効に気づかないため実際には通知が届かない
等の課題が指摘され
また、この制度は、不正交付を止めることはできず、交付したことを知らせるものなため
①被害の未然防止は困難
②なので、「知らない内に誰かに取得された」通知が届くことが、かえって不安や恐怖に繋がる
③登録者が少ない場合、制度の費用対効果が議論になる
なども指摘されています。
しかし、国が益々、マイナンバーカードの利活用を進めようとしており、暮らしの高度情報化が更に進む中で、誰一人取り残されない社会を作るためにも、自分の情報を自分で守るための一つの手段として、川西市にはこの制度があるのだ、ということは、ぜひ、多くの市民に知ってもらいたいと思っています。
当市では、これまでも、2015(平成27)年6月定例会答弁での
個人情報保護対策の一環として、また人権擁護の視点からも、同制度をより多くの市民に周知していくことにより、個人情報を不正に取得しない、させないことを啓発していく必要があると考え、引き続き、考えられるさまざまな機会を捉えて制度の周知を図りたいと考えます。
という方針や
2019(令和元)年9月定例会答弁での
より登録率を高めていく必要があることから、単なる手続的な案内だけではなく、人権侵害を防ぐことや、個人情報の保護といった制度の趣旨や効用について、市民に周知をしていく必要があると考えます。人権担当部署とも連携し、広報誌やホームページ、市民課・各行政センターに常備する案内やポスターの掲示、窓口封筒に記載をするなど、引き続きPRを考えております。
という考え方に基づき、様々な取り組みが鋭意、継続して進められてきています。
人権擁護都市を謳う当市では、これまでも様々、先進的、積極的な人権施策が進められてきました。そのことは例えば、「本人通知制度に登録しましょう」という、市のホームページを見ても、その一端が表れていると、今回あらためて、そのページに目を通しながら考えました。
制度と手続きの紹介のみがされている他市町のページに比べて、当市のそのページには「一人ひとりの権利・人権を守る本人通知制度のご説明をいたします」と、とても丁寧で、熱意のある登録への呼びかけ文が掲載されています。
質問2.「重層的支援体制整備」の進捗状況について

- 「重層的支援」とはどのような考え方なのかについて(事例をもとに現状と課題)
- この考え方を市民と協働で進めていく方向性について
質問の経緯
先日、所属する特定非営利活動法人に寄せられた相談の中に、関係者間で対応に悩む事例がありました。
個人情報を含む詳細は控えますが、その内容を聞いた時、「本人に寄り添う支援が相当、難しい事例だ」と感じたとともに、「今、求められている重層的支援がいち早く、本人のもとに届いていれば、困難が極まった段階で、地域に支援の手が求められることはなかったのでは」とも考えました。
川西市では、子ども、高齢者、障がい者、生活困窮といった分野ごとの枠組みを超え、複雑・複合化した課題を抱える世帯を丸ごと支える「重層的支援体制整備事業」を、第6期川西市地域福祉計画(2024・令和6〜2031・令和13年度)の重点施策と位置付け、取り組みを進めています。
この事業は、包括的相談支援、参加支援、地域づくり支援の3つの支援を一体的に実施し、誰もが住み慣れた地域で最後まで安心して暮らせる「地域共生社会」の実現を目指しています。
このことについては、令和4年3月定例会の総括質問で取り上げ、その際には
「市と社会福祉協議会との連携、社会福祉協議会と地区福祉委員会等の連携、こういったことを強化し地域ニーズに応じた重層的支援体制の構築を行ってまいります。」との答弁があり、その後、計画策定のみならず、医療機関や専門機関等の多機関とも連携し、一つの窓口で完結しない高度な課題にも対応出来る体制が整えられてきています。
その様な中で、先に聞いた事例を、一般的な事例に収斂し、この場合は、どのようにそれぞれの関係者が係わり、どのような経過を辿れば、「重層的支援」が行えたのかを考えたいと思い、今回、この事案を取り上げました。
重層的支援体制整備事業には
①支援の担い手不足(地域活動者の高齢化、専門職の負担増等)
②移動手段、拠点確保の難しさ
③多機関連携の難しさ
④制度の認知度と理解を深める難しさ 等が指摘されています。
中でも、「重層的支援」という言葉自体が市民に浸透しているとは言い難く、普段、福祉活動に長年、熱心に取り組んでおられる地域の皆さんにも未だ、理解が広がっているようには見えません。
重層的支援は「体制整備」の先、現場の連携、市民の理解、制度の浸透等が進まなければ、真に実効的な制度とはなり得ないと考えます。
ついては、例えば以下の事例を元に、市民の皆さんに分かりやすく「重層的支援」について、ご説明を頂けたらと思います。
高齢者のみ世帯、配偶者は施設入所中、頼るべき家族、親類縁者がほぼなく、地域の支援の仕組みともほぼ繋がっていない、低年金だが生活保護受給には非該当、認知症が進んでいるが介護認定は受けていない、家族同然のペットがいる高齢者です。
勿論、個々の事情によって、支援内容は違ってくると思いますので、今の枠組みに基づき、市民に分かりやすく、重層的支援を伝えて頂けたらと思います。











