決算審査まとめ

令和6年度一般会計決算 賛成討論

ただいま議題となっております、令和6年度川西市一般会計決算の認定につきまして、賛成の立場から討論を行います。 

 はじめに、長引く物価高騰や社会情勢の変化の中にあっても、市税をはじめとする収入の確保にご尽力いただいた市民の皆さま、また現場で地域の暮らしを支えてこられた職員の皆さまに、心より敬意と感謝を申し上げます。本市の令和6年度決算は、厳しい経済環境のもとにおいても、健全で安定した財政運営がなされ、市民生活を守り、未来への投資を着実に進めたものであります。

 まず、歳入の面では、市税収入はおおむね堅調に推移し、個人市民税が約85億円、法人市民税が約9億円、固定資産税が約77億円と、地域経済の回復を反映した結果となっております。収納率もきわめて高く、市民の納税意識の高さと、職員の適正な徴収努力が確認できました。
 また、地方交付税約116億円、地方消費税交付金約34億円など、国・県からの財源を効果的に活用しながら、自主財源比率を高く維持しており、持続可能な財政基盤の確立に向けた着実な成果が見られます。
 次に、歳出の面では、物価高騰対策として、非課税世帯等への重点支援給付金約20億円や、市独自のギフト券配付事業などが実施され、市民生活の下支えに大きく寄与しました。これらの取組は、単なる一時的な支援にとどまらず、地域経済全体の安定にもつながる重要な施策であります。
 また、福祉や子育て分野においても、障がい者福祉サービス事業、地域生活支援事業、保育所運営費、児童手当支給事業などが着実に実施されました。ヤングケアラー支援や、ペアレントトレーニングなど、新たな課題に対応する施策も展開されており、現場の声を反映した行政経営が進められています。

 高齢者福祉の分野では、地域包括支援センターの運営をはじめ、介護保険事業への繰出金、シルバー人材センター補助金など、地域の支え合い体制を維持・強化する取組が進められました。これらは、本市が掲げる「誰もが安心して暮らせるまちづくり」の理念を、具体的に実現していくものであります。
 さらに、将来を見据えた投資として、旧川西高校跡地グラウンド整備、(仮称)コミュニティセンター川西会館の整備設計、
市内道路や橋梁の長寿命化対策などが進められ、市民の安全・利便性の向上に資する取組が展開されました。
 また、市制施行70周年の節目には、文化・スポーツ・地域活動を通じて「参画と協働のまちづくり」が推進され、市民の誇りと地域の絆を育む取組が展開されたことも特筆すべき点であります。

 財政の健全性の面では、財政基金、減債基金、公共施設整備基金などへの積立が計画的に行われ、将来の財政リスクに備える姿勢が明確に示されました。市債発行も抑制的に運用され、地方債残高の健全化にも努められています。これらは、将来世代への責任を果たすための堅実な財政運営として高く評価できます。

以上のように、令和6年度一般会計決算は、限られた財源の中で、市民生活の安定と将来への投資の両立を図った、極めてバランスの取れた決算であります。市民に寄り添い、現場の声を踏まえ、持続可能なまちづくりを進めてきた本市の取組を高く評価いたします。
 そして、次の令和8年度予算編成に向けては、こうした健全財政を礎としながら、さらなる行財政改革の推進、人材の確保・育成、そして内部統制の充実と行政の透明性向上を一層進めていくことが重要です。
 人口減少や少子高齢化が進む中にあっても、限られた人員と財源で最大の効果を生み出す「質の高い行政経営」を実現していくことが、これからの自治体運営に求められています。
 議会としても、これらの取組をしっかりと検証し、協働の立場から建設的な提言を重ねていく決意であります。

 以上、令和6年度川西市一般会計決算の認定に賛成いたします。